「放送も!配信も!4Kにご注目キャンペーン」A-PAB 記者発表会を開催

2026年10月1日(木)、千代田放送会館(東京都千代田区)において報道関係者約40名にご参加いただき、記者発表会を開催しました。

本発表会では、この秋冬に見逃せないNHKの4K8Kのおすすめ番組のご紹介と、同日スタートしたBS民放5社による「BS4K配信サービス」をはじめとする「放送も!配信も!4Kにご注目キャンペーン」の概要が発表されたほか、スペシャルゲストの内藤剛志氏を迎えたトークセッション、BSとCSの周波数入れ替えに伴うチャンネル戦略、ローカルコンテンツバンク(LCB)の実証実験、ならびに先進映像協会(AIS-J)による「ルミエール・ジャパン・アワード2026と国際動向」についての発表が行われました。

A-PAB加増良弘 理事長挨拶

冒頭、主催者を代表して、A-PABの加増良弘理事長がご挨拶しました。

A-PAB 加増良弘 理事長の開会ご挨拶

皆さん、本日はA-PABの記者発表会にご参加いただきましてありがとうございます。また、日頃よりBS4Kをはじめとする放送サービスの高度化に関しての取材や記事をいただきまして、感謝申し上げます。

この発表会では、もう2年前から私などが率先して「4Kボタンをプッシュ、プッシュ」とアクションをつけながら言い続けてきたのですが、これほど4Kボタンをプッシュしたのは最近のことでした。何のことを言っているかと言いますと、3か月前に盛り上がったサッカーのワールドカップのことです。NHK BSプレミアム4Kのチャンネルで全試合が4Kの美しい映像で放送されたため、皆さんもサッカーに熱中されたとは思いますが、改めて4K映像の面白さを感じたのがこの一連のイベントでした。一例を挙げますと、1番驚いたのは日本対オランダ戦の、オランダチームのユニフォームの色でした。目に痛いようなオレンジの輪郭が、地上波ですとジャミジャミと見えてしまうのですが、4Kでは綺麗に発色が抑えられていて美しく見えましたし、音も良かったです。やはり4Kというのはこれぐらい綺麗なものなのだと、今更ながら驚いた次第です。この日曜日に大の里が優勝した大相撲も、私は4Kチャンネルで必ず見るようにしているのですが、大相撲の場合は向こう正面があまりにも綺麗に映ってしまうため、取り組みを忘れて誰が見ているのかに注目してしまうといった問題も少しありますね。

さて、本題に入りますが、このBS4Kは10月から大きく変わります。正確に言いますと、本日朝10時からすでに大きく変わっています。NHKのBSプレミアム4K・8K放送や、ショップ系の2チャンネルは引き続き美しい映像コンテンツを放送していますし、これからも放送していきます。 しかし、民間放送5社は本日から4Kの配信サービスを新たに始めました。美しい4K映像を、引き続きご自宅の大型テレビでお楽しみいただけます。民放5社のBS4K放送については、各局が公表している通り、来年の1月23日で放送を終了する予定です。ただ、放送から配信へ移行しても、引き続き4Kコンテンツを大型テレビの配信サービスでお楽しみいただけることになります。いわば、BS4Kの新しい時代が始まろうとしているのです。詳細はこの後イベントの中できっちりとご説明させていただきますが、放送も配信も4Kコンテンツをこの先しっかりとお届けしたいと思っております。是非この4Kの配信サービスを取材していただければと思います。

スマートフォンなどSNSがすっかり世の中を席巻したというような報道は常になされていますが、BS4Kが見られる40型、50型以上の大型テレビも順調に世の中に普及しています。4月以降、平均単価も13万円を少し超えるレベルという報告もあり、春から夏にかけては台数で前年比2桁の増加が見込まれています。当然、これらはインターネットに接続できますので、配信サービスも普通に見ることができます。 この大型テレビ自体も進歩し、高度化が進んでいます。AIを取り込むなど新しい時代のメディアとなっており、2028年のロサンゼルスオリンピックの頃には、A-PABは4K視聴可能なテレビ台数の4,000万台到達を目標としています。その頃には、私たちの生活の中で今までとは違う役割をテレビが果たしているのではないかと思っています。 放送の姿は大きく変わっています。BS放送の世界も同様です。BS2Kの放送は、引き続き全国にコンテンツをしっかりとお届けし続けますが、BS4Kでは放送に加えて配信のサービスも加わります。いわばBSの新時代、BS4Kの新時代です。是非ご期待いただき、取材していただければと思います。私の挨拶は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

「放送も!配信も!4Kにご注目!キャンペーン」紹介

キャンペーンのナビゲーターは、BS編成担当者会議の主査であるBSテレビ東京取締役編成局長の白石公子さんと、4K8K推進キャラクターのヨンハチさんが務め、この秋冬に見逃せないNHKの4K8Kの番組や、WOWOWオンデマンドのサービスで4Kコンテンツの配信を開始するBS民放5社(BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSテレビ東京、ビーエスフジ)の取り組みを紹介しました。

ナビゲーターを務めるBS編成担当者会議 白石公子主査
(BSテレビ東京 取締役 編成局長)

冒頭、白石さんよりBS編成担当者会議の説明がありました。BS編成担当者会議は、2018年の4K・8K放送開始時から継続している組織で、NHKとBS民放5社の編成責任者が定期的に集まり、BS放送全体を推進・盛り上げるための施策を検討しており、日頃はライバル関係にある各局が、大きな環境変化を迎える中で局の垣根を越えて協調・連携することの重要性を強調しました。

「放送も!配信も!4Kにご注目!キャンペーン」を説明する白石主査とヨンハチさん

今回も、その取り組みの一環として「放送も!配信も!4Kにご注目」と題した新たなキャンペーンが展開されると説明がありました。放送分野の注目番組として、NHKの4K・8Kコンテンツが紹介されました。4K放送では、小芝風花さんが主演を務める人気シリーズの完結編であるスペシャル時代劇『あきない世傳 金と銀 完結編』が12月26日にBSプレミアム4Kで放送されます。また8K放送では、今年設立100周年を迎えるNHK交響楽団によるマーラーの『復活』のコンサートが、10月4日にBS8KおよびBSプレミアム4Kにて、5.1チャンネルの臨場感あふれる音響で生放送されることが案内されました。

一方、配信分野の新たな取り組みとして、民放BS5社(BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSテレビ東京、ビーエスフジ)による「BS 4K配信サービス」が同日よりスタートしたことが発表されました。これは、各社が制作した人気の高画質4Kコンテンツを「WOWOWオンデマンド」のサービス上で、いつでも無料で視聴できる画期的な取り組みです。

本サービスは、インターネットに接続された4K対応テレビから利用でき、テレビのアプリストアからダウンロードしたWOWOWオンデマンドアプリや、TVerのテレビアプリのバナーを経由してアクセスすることが可能です。サービス開始時点では各社10本、合計50本の見応えある4Kコンテンツが揃えられており、今後も毎月新たなコンテンツが追加されていく予定です。白石氏らは、高画質な4Kの魅力を放送と配信の両面から存分に楽しんでほしいとアピールしました。

スペシャルゲスト トークセッション 俳優 内藤剛志さん登壇 京都と4Kの魅力を語る

BS朝日『あなたの知らない京都旅』で旅人を務める俳優の内藤剛志さんがスペシャルゲストとして登壇し、司会者との和やかで軽妙なトークセッションが繰り広げられました。

BS朝日「あなたの知らない京都旅」(「BS4K配信サービス」で配信中)で”旅人”を務める内藤剛志さん

司会者からご自身にとっての京都の魅力を問われると、内藤さんは「京都は単なる過去の歴史の街ではありません。1000年前のお寺や美術品を、さらに1000年先の未来へ届けようとバトンを渡している、歴史が動いている場所です」と、22年間にわたり京都に暮らす生活者ならではの視点で熱く語りました。続いて、司会者がおすすめのスポットについて尋ねると、ユーモアを交えて会場の笑いを誘いつつ、「船岡山や将軍塚」といった平らな街を俯瞰できる高台を紹介しました。そして、「何気ない路地であっても、一人ひとりにとって思い出のある場所こそが素晴らしい都になります。皆さんの京都を見つけてほしいです」と視聴者へ語りかけました。

京都の魅力を熱く語る内藤さん

また、司会者が自身の番組が4Kで配信されることへの思いを尋ねると、内藤さんは「仏像のわずかな微笑みや壁に描かれた筆のタッチなど、これまで『見たつもり』になっていた細部までが鮮明に見えるようになります。4Kは、同じ場所へもう一度旅ができる新しいプラットフォームです」と高く評価しました。さらに、自宅の大きなテレビ画面で視聴する意義について司会者が深掘りすると、「スマートフォンなどの小さな画面で情報を『知る』のではなく、映画館のように映像の世界に没入して『体験』してほしい」とその魅力を力説しました。

記者からの質疑応答を交えた後、最後に司会者がメッセージを求めると、内藤さんは今回の新しいBS4K配信サービスを「書店」に例えました。「各局が一つのプラットフォームに集まることで、自分の知らなかった新しい世界や作品に偶然出会うことができます。一人の視聴者として、皆さんと一緒にこの新しい体験を楽しみたいです」と締めくくり、会場は大きな拍手に包まれました。

BS/CS周波数入れ替えと「BS時代劇専門チャンネル」の展開

続いて、日本映画放送株式会社 宮川朋之 代表取締役社長から、「日本映画専門チャンネル」「時代劇専門チャンネル」のBS放送及びCS110度放送の周波数入れ替えについての報告がありました。

日本映画放送株式会社 宮川朋之 代表取締役社長

宮川社長は、同社が運営する「時代劇専門チャンネル」および「日本映画専門チャンネル」に関する今後の事業展開と、BS/CSの周波数入れ替えに伴うチャンネル移行について発表しました。冒頭では、昨年の『鬼平犯科帳』にスペシャルゲストとして出演した内藤氏に対し、撮影現場への多大なる貢献について謝意が述べられました。

今後の大きな展開として、2026年12月1日より両チャンネルの番号の変更が予定され、「時代劇専門チャンネル」は現在のCS 292チャンネルからBS 255チャンネルへ、「日本映画専門チャンネル」はBS 255チャンネルからCS 292チャンネルへと入れ替わります。移行が始まる12月以降は、視聴者に混乱が生じないよう、チャンネル変更の周知を最優先で行うとしています。

続いて、2028年に開局30年を迎える「時代劇専門チャンネル」について、2027年4月より「BS時代劇専門チャンネル」としてチャンネル自体を大きくリニューアルすることが示されました。これまで『銭形平次』や『暴れん坊将軍』などの名作を中心に編成されていましたが、今後は4K制作のオリジナル時代劇を軸に、新作から名作ライブラリーまでの広い編成へと移行するとし、具体的には、『鬼平犯科帳』や来年第10弾となる『三屋清左衛門残日録』などに加え、海外の配信サービスを意識した4K忍者アクション時代劇などの制作が進められており、レギュラー作品をさらに拡充していく方針とのことです。

このリニューアルに向け、2027年3月23日には4Kオリジナル時代劇の新作ラインナップを詳しく発表する記者会見の開催も予定されており、宮川社長は、時代劇を「唯一無二のメイド・イン・ジャパンのコンテンツ」と位置づけ、BS放送を軸に高画質な4K映像で国内外へ広く発信していくことが同社の使命であると強調しました。

さらに、同じく2028年に開局30周年を迎える「日本映画専門チャンネル」についても、大幅なリブランディングを計画していることが発表されました。CS放送の専門チャンネルとしてどのような価値を提供していくか、現在詳細な方針を策定中であり、今後の動向にも合わせて注目してほしいと締めくくっています。

LCB(ローカルコンテンツバンク)でCTV(コネクテッドTV)の未来を探る

続いて、北海道テレビ放送株式会社コンテンツ事業局 ネットデジタル事業部長 デジタル編集長で、A-PABのコネクテッドTV検討部会 SG3副主査を務めていらっしゃる阿久津友紀氏から『LCB(ローカルコンテンツバンク)でCTV(コネクテッドTV)の未来を探る』と題した講演がありました。

北海道テレビ放送株式会社 阿久津 友紀 コンテンツ事業局 ネットデジタル事業部長デジタル編集長
(A-PAB CTV検討部会SG3 副主査)

阿久津氏は、放送サービス高度化推進協会(A-PAB)の支援のもとで実施される、2024年度・2025年度に続く2026年度の「ローカルコンテンツバンク(LCB)」の実証実験に関する取り組みを発表しました。

全国のローカル放送局が日々制作している地域の生活情報などのコンテンツは、優良なものが多いものの、1局単独の力で配信プラットフォームに載せ、持続的な収益や大きな視聴につなげることが難しいという課題を抱えています。そこでLCBは、配信先を限定しない「川上バンク」として機能することを目指しています。具体的には、「メタサポ」と呼ばれる独自ツールを用いて各局のコンテンツにメタ情報を付与し、同じテーマ(ご当地グルメや温泉など)で複数局の映像を束ねた「目差し(メザシ)」と呼ばれる30分程度の動画パッケージを制作し、多様なプラットフォームへ提供していく構想です。

本年度はこの構想をさらに具現化するため、大きく2つの実証実験を進めています。1つ目は、CTVの視聴ログ分析に基づいた番組編成の有効性を検証する「インサイドボード実証」です。各局の映像を束ねた「目差し」コンテンツの一例として、10月1日からは楽天の「Rチャンネル」において、「北海道東北街ネタチャンネル」としてリニアFAST配信が開始されました。ここでは、秒単位の視聴ログに加え、出演者やキーワードなどのメタデータ、IPアドレスから特定した視聴エリア情報などを掛け合わせて分析を行い、経験や勘ではなくデータに基づいたローカル局自らの番組編成戦略に活かす基盤作りを目指しています。

2つ目の取り組みは、AIによる自動生成を活用してSNSからCTVへの誘導を図る「ショート動画実証」です。ローカル局が抱える人手不足という課題を解決するため、通常の横型番組の映像から、AIが盛り上がりシーンを解析し、縦型のショート動画へのトリミングやテロップ付与までを自動で行うシステムを開発しています。作成したショート動画を各種SNSに投稿し、視聴者をCTVやVODなどの本編へ誘導する導線を設けることで、現場の編集コストを極限まで抑えながら視聴数を増加させる最適解の検証が行われます。

阿久津氏は最後に、「束になることに価値がある」という合言葉を紹介しました。系列の垣根を越えて全国のローカル局が結集することで、1局では埋もれがちな地域情報に新しい価値を生み出し、コンテンツの流通と収益化の道を開いて、最終的には地域社会へ還元していくという強い意気込みを語りました。

ルミエール・ジャパン・アワード2026と世界水準の日本の4K・8K技術

続いて、ルミエール・ジャパン・アワードを主催している先進映像協会 日本部会 会長で、早稲田大学 理工学術院 河合隆史教授から、ビデオ講演がありました。

先進映像協会 日本部会 河合隆史会長(早稲田大学 理工学術院・教授)

河合教授は、「ルミエール・ジャパン・アワード2026と国際動向」と題した講演を行いました。同部会は、米ハリウッドに本部を置く先進映像協会の日本支部として2011年に設立され、当初の3Dから現在では4K、8K、VRへと対象を広げながら、日本の先進映像技術やコンテンツ表現の発展と普及を目指して活動しています。

その活動の一環として2011年より継続開催されている「ルミエール・ジャパン・アワード」は、国内で制作された優れた先進映像コンテンツを表彰するもので、2023年度からは放送サービス高度化推進協会(A-PAB)と4K部門および8K部門を共催しており、双方のネットワークや強みを生かしながら、コンテンツやサービスのさらなる高度化に貢献しています。

本アワードの受賞作品には、米国本部が主催しハリウッドの超大作も名を連ねる「クリエイティブ・アーツ・ルミエール・アワード」へのエントリー資格が与えられます。同アワードでは4K画質が前提とされ、視聴体験の品質が強く重視されるなか、日本の4K・8K作品はここ4年にわたり連続で受賞を果たしています。2023年から2025年にかけては8K映像制作の最高賞を、昨年は4Kドキュメンタリーの国際優秀賞を獲得しており、河合教授はこれらを日本の4K・8K制作技術が世界トップレベルである証であると語りました。

本年度の「ルミエール・ジャパン・アワード2026」の審査結果は11月18日開催の「InterBEE 2026」における表彰式で発表されます。今年は受賞作品の展示もあわせて実施される予定となっており、河合教授は日本の先進映像のさらなる飛躍に向けて期待と注目を呼びかけました。

以上をもって、盛況のうちに記者発表会は終了しました。

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