一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は12月1日「新4K8K衛星放送開始1年前セレモニー」を東京・千代田区のホテルで開催ました。女優の深田恭子さんを4K8K推進キャラクターに決定し、放送開始までの残り1年のPR活動に力を注ぐ決意を新たにしました。
セレモニーには野田総務大臣はじめ総務省幹部、放送事業者、4K8K放送に関わる団体・関係者、A-PAB会員らおよそ520人が出席しました。
冒頭、主催者の福田俊男A-PAB理事長は次のように挨拶しました。
「4K8Kの放送が、いよいよ来年12月1日からより身近なBS、110度CSという衛星放送でご覧いただけるようになります。テレビ放送は技術革新の連続でしたが、また新たなページが開かれることになります。4K8K放送は、知名度は上がってきていますが4K対応テレビの出荷台数はまだまだです。また今の4Kテレビでは来年始まる4K放送を見ることはできません。新たに売り出される外付けチューナーやチューナー内蔵テレビを買っていただくことになります。メーカーの皆様には安価で性能のいい受信機を早期に市場に投入していただき、放送事業者の皆様には数多くのピュア4K番組を提供していただきたいと思います。この両輪が揃って視聴者に訴求できるものと思っています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを新しい映像で視聴者に楽しんでいただくことを最低限の中期目標にとして、皆様方にはこれまでに倍するご支援ご協力をお願いしたいと思います」
続いて来賓として野田聖子総務大臣が次のように挨拶しました。
「新しい4K8Kの実用放送が始まる1年前に関係者が一堂に会することは大変意義のあることだと思います。政府としても2020年に全国の世帯のおよそ50%が視聴できることを目標に掲げており普及に取り組んで参ります。実用放送を見ていただくために業界挙げた取り組みが重要です。総務省としても全国のイベントの場を活用した4K映像の上映など周知広報に取り組んで参ります。私自身も周知広報動画に出演させていただき4K8K放送をPRする所存です。実用放送開始まであと1年です。国民視聴者の目線に立った一層の取り組みの充実強化をお願いいたします」
残り1年の周知広報のレベルアップを図るため女優の深田恭子さんが「4K8K推進キャラクター」に就任し、野田総務大臣から任命状が手渡されました。
深田恭子さんは「4K8K映像は本当に色鮮やかです。そんな美しい映像をたくさんの方に見ていただけるようにしっかりPRしていきたいと思います」と意気込みを語りました。また「以前オリンピックのシンクロナイズドスイミングを見ていて、水の中と地上がこんな風に見えるんだと感動したことがあります。今回の技術の進歩でまた変わっていくんだろうと思います。スポーツを鮮明に見たいですね」と期待を述べました。
また、セレモニーでは新しい放送のサービス名称が「新4K8K衛星放送」に決まったこととそのロゴマークが発表されました。
出席者を代表して挨拶に立ったNHKの上田良一会長は次のよう述べました。
「NHKは東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年に最高水準の放送サービスを実現することを目標としています。来年12月には4Kと8Kの2つの新しいBSチャンネルをスタートします。4Kは選りすぐった番組をベストセレクションチャンネルとして提供し、週末には独自の大型番組も放送します。8Kは最高品質の映像と音響のフラッグシップチャンネルと位置付けます。今後も皆様と協力しながら全国でのセミナーやイベントなどの取り組みを強化し4K8Kを視聴できる環境が早期に整うことを目指します」
民放連の井上弘会長は次のように述べました。
「デジタル化の時もこういう会合がありましたが、あの時は全部入れ替わらなければいけないという悲壮感もあったような気がしますが、今回はその分ちょっと楽かなと思います。
キー局系のBS各社は地上波を含むホールディングス全体として、この新しい放送メディアを盛り立てるべく努力をしていきたいと思っております。放送の制作担当はこの新しいメディアをどう利用しうまくやっていくかについて鋭意努力しています。しかし受信機が普及しないといけませんのでメーカーさんには是非ご協力をお願いいたします。
新4K8K衛星放送の開始にあたりまして総務省、メーカー各社、放送事業者各社がこれまで以上に一層緊密に連携して新しいメディアをきちんと育てて立派なものにしていきたいと思います」
JEITA(電子情報技術産業協会)の長榮周作会長は次のように述べました。
「4K8Kの実用放送開始に向けて、これからの1年間は非常に重要なものとなります。放送開始に加え、2020年の東京オリンピック、パラリンピックではご家庭で世界最先端の臨場感と躍動感溢れる4K8K映像を楽しんでいただくと共に、IOTとの融合による新たなサービスにより、多くの方々に新たな感動を覚えていただくことができるものと考えております。
本日ここにお集りの方々が力を合わせそれぞれの立場から積極的に自らの役割を果たすことで、さらなる豊かな暮らしの実現が叶いますことを期待いたします」
深田恭子さんを中心に総務大臣はじめご挨拶いただいた方々、4K8Kの放送事業者の皆さん、関連団体代表の方々でフォトセッションを行いました。
最後にA-PAB事務局より、12月版のA-PABリーフレット、ポスター、4K8Kに関するコールセンターの開設、BS右旋での帯域再編、左旋を受信する際の注意点、今後の周知広報活動などについて説明が行われ閉会となりました。
司会進行はフジテレビの秋元優里アナウンサーが務めました。
この他、会場入り近くのホワイエでは、4K・8Kモニターと映像の展示、右左旋共用パラボラアンテナの展示や電波漏洩などに関するパネル展示が行われました。