一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、11月21日(金)に千代田放送会館で記者発表会を開催しました。今回、プレス/メディア関係で、約40名の記者の方にお集まりいただきました。
A-PAB加増良弘 理事長挨拶
冒頭、主催者を代表して、A-PABの加増良弘理事長がご挨拶しました。

今日はお忙しい中、私どもの記者発表会にご参集いただきまして誠にありがとうございます。
今から25年前、2000年の12月1日金曜日、BSデジタル放送がスタートしました。思い返すとSMAPの『らいおんハート』が大ヒットしていた頃であります。
BSデジタル放送はあと10日ほどで四半世紀を迎えることになります。諸先輩の努力、奮闘、そして今日ご臨席いただきました総務省をはじめとします関係者の皆様の熱いご協力によりまして、BSデジタル放送はここまで来ることができました。改めて感謝申し上げます。
我々の業界も明るい話題ばかりではございません。番組を見ていただいている視聴者の数もじりじりと減っております。また民放目線で言えば、BSに対する広告費も大きく増えているわけではありません。その一方で、25年の間、BSのファンは根強く、かつ幅広く増えているのは間違いないと思っております。「BSしか見ない」という声も届くようになりました。25年、BS各局は地上波とは違う独特の手法で、テレビコンテンツの一翼を担ってきた自負がございます。効率的な全国放送で視聴者やクライアントを惹きつけてきた自信もあります。大谷翔平選手の大活躍ぶり、そして日本のプロ野球はBSで、という視聴習慣はすっかり定着したのではないでしょうか。
これまでのこの記者発表会は4K・8Kコンテンツを中心に実施してまいりました。ただ、この先、我々は2K、4K、そして8Kという進歩した高度なテレビ技術をベースに、様々なフェーズを越えて、世界に羽ばたく日本のコンテンツ産業の一翼を担って成長したいという願いがございます。そのために一丸となってBSデジタル全体を盛り上げることが、今一番求められているのではないかと考えております。
今回の記者発表会はその一歩であります。今日は各社のトップの皆様が一堂に会して、熱いBSデジタル業界をアピールさせていただきたいと思っております。
私どもA-PABは決して大きな団体ではございませんが、しっかりそのお手伝いをさせていただきたいと思っております。
この後、各局自慢のコンテンツのアピールポイントをご披露するほか、ローカル局がタッグを組んだ新しい取り組みの進捗状況なども発表させていただきます。
BSデジタルは新しい時代に入ります。ぜひご期待いただければと思います。
以上をもちまして私の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
次に、日頃よりA-PABが大変お世話になっている団体・企業からご臨席いただいた方々のご紹介がありました。
NHK&BS民放5社 BSデジタル放送開始25周年記念のキャンペーンのご紹介
まず、放送開始25周年を記念して「NHK+BS民放5社の共同キャンペーン」として、全局で流れるスポットが上映されました。
キャンペーンのナビゲーターは、BS編成担当者会議の主査であるBSテレビ東京取締役編成局長の内田久善さんが務め、キャンペーンのタイトルは、「BSデジタル放送25周年でスゴイ番組が勢ぞろい! 新時代! 年末はBSの番組を見ようよキャンペーン」で、11月23日(日)から12月31日(水)までの期間であることが発表されました。

内田久善主査
(BSテレビ東京 取締役 編成局長)
NHKの選りすぐりのオススメ番組とBS民放5局の25周年を記念に制作した特別番組
続いて、キャンペーンの二つ目の企画「NHKの選りすぐりのオススメ番組とBS民放5局の25周年を記念に制作した特別番組」を紹介するVTRが上映されました。

<NHK>12月20日(土)午後4時~
N響「第9」演奏会 ※生放送
年末の風物詩、今年は、指揮者:アメリカの名匠・レナード・スラットキン氏、日本を代表する4人のトップ歌手+新国立劇場合唱団。BS8K・BSP4K・NHKFMラジオで生放送し、大晦日にはEテレでも放送。
<BS日テレ>12月13日(土)夜9時~
「おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR, NO LIFE! in USA 2時間SP~初の海外ロケですけど、なにか?~」
番組15年目突入で初めての海外ロケ。おぎやはぎがアメリカ・テキサス州で車にまつわる人気スポットやアメリカングルメを堪能。アメリカならではスケールの大きさに驚愕。そして超ド級、自 動車博物館に潜入も。日本車を愛するオーナーさんたち自慢の愛車をチェック。
<BS朝日>12月13日(土)夜7時~
BS朝日 開局25周年記念「人生、歌がある コンサート」
番組13年目にして初めて開催したコンサートの模様を放送。総勢28組のアーティストが出演し、4時間にわたって圧巻のステージを披露。
第1部では田原俊彦さんと若手歌手たちがコラボレーション。ヒット曲の数々を歌い踊る。さらにサプライズで木梨憲武さんと所ジョージさんも登場。
第2部では「特別ステージ だからこそのコラボ」で、「北国の春」をはじめとして誰もが知る名曲で観客を魅了。テレビの前が特等席になる豪華コンサートの全貌をお届け。
<BS-TBS>12月14日(日)夜7時~
「25年目の恋 ~もう一人の芳根京子 ローマへ行く~」
旅とドラマの魅力を掛け合わせた新しい紀行番組。俳優・芳根京子さんが職業・年齢はそのままに「もう一人の芳根京子」として出演。もう一人の芳根京子が、亡き叔母のハネムーン日記と謎の手紙を見つけ、イタリア・ミラノへ旅立つところから始まる。ドキュメンタリーパートとドラマパートが交差しながら進む新しい映像表現に注目。
<BSテレ東>12月1日(日)夜7時~
「池上彰×徳光和夫 ヒット曲が語る昭和100年史」
昭和100年にあたる今年、戦後の復興から高度成長、バブル期や平成・令和へと続く激動の時代を彩り、愛された名曲の数々を秘蔵映像と共に振り返る。MCには歌番組に12年ぶりの出演となる池上彰さん。歌だけでなく時代背景などを鋭い視点で分かりやすく解説。そして歌謡界の生き字引・徳光和夫さんが、当時の熱気やスターたちの裏話を熱く語る。歌は時代とどのように私たちの暮らしに寄り添ってきたのかを、振り返り贅沢な時間をお届けする。
<BSフジ>12月28日(日)夜9時~
BSフジ開局25周年記念番組「日本遺産物語」
女優の黒谷友香さんが世界文化遺産の「百舌鳥・古市古墳群」を旅する。3世紀の半ば、突如として誕生した巨大な前方後円墳。それは4世紀の後半から5世紀の後半にかけてさらに大型化し、大阪平野の南部に数多く築かれた。その多くがいまだ発掘されておらず、謎に包まれたまま。今回番組では多くの研究者の元を訪ね話を聞くと共に、百舌鳥・古市古墳群と密接なつながりを持つ近隣の古墳や遺跡から、秘められた古代の謎を解き明かす。
ナビゲーターの内田主査からは、BS各局は共同でキャンペーンを行うほど、実は横のつながりがあり仲もいいが、普段は他局に負けないいい番組を作るために競い合っているので、今回も他局には負けないぞという気持ちで作った渾身の作品であることが紹介されました。
BS民放5局 開局25周年 「5局でコラボウィーク」
続いて、キャンペーンの三つ目の企画である「BS民放5局 開局25周年 5局でコラボウィーク」として、局の垣根を越えて、人気看板番組MCが他局の番組に出演するコラボレーションが実現し、11月23日から5夜連続で放送されることが発表され、紹介VTRが上映されました。

番組コラボ第1弾:11月23日(日)夜9時~
BSフジ「クイズ!脳ベルSHOW」
放送から10周年を迎え、各所から絶大な支持を受けている「クイズ!脳ベルSHOW」に、BS各局の人気番組からMC4人がパネラーとして奇跡の出演。それぞれの番組にちなんだクイズや裏話も盛りだくさん。各局のプライドをかけた戦いを制するのはどの番組になるのか!
番組コラボ第2弾:11月24日(月)と25日(火)
「カンニング竹山の飲み仲間を探して街へ繰り出す BS-TBS『カンニング竹山の昼酒は人生の味。』」と、「料理家の和田明日香さんがオリジナルレシピでゲストをもてなす BSテレ東『和田明日香とゆる宅飲み』」が奇跡のコラボ。
番組コラボ第3弾:11月26日(水)と27日(木)
農業を本格的に始めた俳優・工藤阿須加さんが、農業に転身した人たちを訪ね作業のお手伝いをするBS朝日「工藤阿須加が行く 農業始めちゃいました」と、女優・財前直見さんが故郷大分で実践する農業ライフに密着するBS日テレ「なおみ農園」がコラボレーション。
内田主査は、「お酒」と「農業」といういかにもBSらしいテーマでコラボが実現し、収録では大変盛り上がり、予定時刻を大幅にオーバーしたこぼれ話も披露されました。このコラボを通じてお互いの番組、それぞれの番組の良さを理解していただけると思うので、ご注目いただきたいとの、コメントがありました。
NHK選りすぐりの4K8K番組
続いて、「NHK選りすぐりの4K8K番組」の紹介VTRが上映されました。
<NHK>11月29日(土)夜7時30分~
特集時代劇「丹下左膳 ~大岡越前外伝~」
ここで、4K8Kといえば・・・ということで、4K8Kキャラクターの「ヨンハチさん(よんはち)さん」が登場し、内田主査から、ナビゲーターを引き継ぎました。
スペシャルゲスト和田明日香さんと
プレゼンターNHK桑子真帆アナウンサー登壇
ここからは、民放のコラボウィークに出演する、料理家で食育インストラクターの和田明日香さんと
プレゼンターのNHK・桑子真帆アナウンサーがご登壇されました。和田さんから「お、ヨンハチ!」と呼び捨てされて、ヨンハチさんは苦笑い。会場内が一気に和みました。
和田さんは、「民放5社のコラボキャンペーンに出演して、どう思ったか?」を聞かれ
「美しいなと思いました!自分の保身ばかりを考える大人が多い中で、みんなで手を取り合って盛り上げていこうっていうのは、とても美しい。頭の中で「We Are The World♪」が流れていました。そこに呼んでいただけたことがすごく嬉しかったし、自分自身疲れた夜は、BSで人がお酒を飲んでる番組を見て、ぼーっとして癒されているので、その仲間に入れてすごく嬉しいなと思いました。」と述べました。

実際に番組収録した感想を聞かれると、
「とても楽しかったですね。竹山さんの番組にお邪魔した時は、もうおんぶに抱っこで、本当に竹山さんのお世話になったので、私の番組にお迎えする時は、美味しいものを食べていただきたいという気持ちでおもてなしをしました。どちらもお酒飲む番組なので、ただただ楽しく、ゆるゆると進めました。」
「竹山さんの印象は?」という質問には、
「めっちゃ優しくて、本当にいい人なんですよ。あんなにキレ散らかすキャラなのに、本当に優しくて、もうどんな人も温かく優しく包み込み、話を聞いている姿を横で見て、「あ、なんか親戚のおじちゃん!」と思いました。
コラボ番組の見どころを聞かれると、
「竹山さんの番組では、声をかける街の人が漏れなく面白くて、『どうして、こんなに面白い人捕まえられるんだろう?』と思いました。竹山さんの見る目も素晴らしいのですが、優しくあたたかい話術で、皆さんがポロポロと人生こぼしてくださったのもすごく面白かったです。
私の番組は、いつもそうなんですけど、本当にゆるく家に親戚のおじちゃんが帰ってきて、『あ、じゃあつまみ作るよ』みたいな感じで進めました。楽しく二人でゆるゆる喋れて、竹山さんの人生、『知られざる竹山の素顔』を覗き見ることができた感じがしました。」
続いては、プレゼンターとして登壇したNHKの桑子アナウンサーに、特集時代劇「丹下左膳 ~大岡越前外伝~」の見どころについて聞いたところ
「森山未來さん演じる左膳は、訳あって『片目片腕』になりながら、とある刀を探し続けます。多くの敵に囲まれる時もありますが、その時の立ち回りが、とにかくものすごく、片腕しかなく普通に刀を持てず、しかも片目見えないのに、『この体勢になってこういうふうに斬るんだ!』とわかる動きが圧巻でした。クランクインの半年前から稽古をされていた殺陣のシーンが見どころです。そして、ヒロインが黒木華さん演じるお藤という役のキャラクターが、素晴らしい。お藤は、お尋ね者で口は悪いし悪さもする、かっこいい感じの女性なのですが、左膳の前での彼女は「乙女」で、表情がガラッと変わります。そのギャップに、本当キュンとしちゃいます。そのギャップも楽しんでいただけると思います。ストーリーが分かりやすく展開も早く、あっという間の89分の作品となっています。」

その後、会場の記者からの質問に答えるコーナーに移りました。
まず、和田さんに対して、「地上波を含めて様々な番組に出演している中で、BSならではの良さはどんなところか?」との質問に対し、
「私はどの番組でも、『自分は自分』というスタイルで臨んでいますが、特に『ゆる宅飲み』は、包み隠さず家での姿や、『テレビでこんな話してよかったんだっけ?』みたいなことを、ポロっと言えちゃうような空気感をスタッフの皆様と作れています。私がそんな感じで、ゆるゆる臨んでいるので、ゲストの皆様も、毎回素敵なお話をしてくださいますし、自然と肩の力が抜けちゃうような空気感があるかなと、個人的に感じています。」
と回答。
続いて、「『ゆる宅飲み』の番組で、次はこの人と飲んでみたいという方がいらっしゃいますか?」との質問には、「来るもの拒まずで、どなたに来ていただいても楽しいですが、マニアックなお仕事されてる方に来ていただくのは楽しいと思います。たとえば、アナウンサーの方など、なかなか聞いたことないようなお仕事されてる方のお話とか、聞けたら面白いなと思っています。あ、桑子さん?」
と、話を振られて桑子アナウンサーは、
「・・・ちょっと局の垣根を越えないといけないかもしれないですね。なんとかなるかしら?」
との答えに和田さんは、
「できるっぽいですよ。25周年ですし。今日は『はい、やりたいです』と言っといたら、『いいよ』って言ってくださる偉い方々がいらっしゃっていますから。」
とのコメントで会場の笑いを誘いました。

次に、桑子アナウンサーに対して「個人的に好きな4K番組は何か?」との質問があり、
「和田さんが、BSでは肩の力が抜ける良さがあるっておっしゃっていた通り、その視点で『世界ふれあい街歩き』が好きです」
と答えるやいなや、和田さんがすかさず
「私も大好きです!昔から。誰も何にもしゃべらない時間とかがありますよね!」
とのリアクションに、桑子アナウンサーが、
「ただただテクテク歩いているその目線を、視聴者も一緒に追体験するのですが、通行人の方やその地元の方との何気ないおしゃべりにすごくほっこりします。オープニングの音楽が流れ始めた瞬間に、体が弛緩します。普段は生放送で、あと何秒でVTR、あと何秒で放送終わるみたいな、時間を過ごしている身として、『世界ふれあい街歩き』で流れている時間と『クローズアップ現代』で流れている時間は、本当に一緒なのかしら?と思いながら、あのゆるりとした時間をほっこりしながら楽しんでいます。和田さん、ご覧いただきありがとうございます。」
と答えました。
NHKの専務理事とBS民放各社の社長が意気込みを直々にアピール
続いて、NHKの専務理事とBS民放各社の社長の皆様より、放送開始25周年に際し、これからのBSデジタル放送にかける意気込みを直々にお話しいただきました。
【NHK小池英夫 専務理事】
BSデジタル放送開始、25周年、心からお慶び申し上げます。
NHKはBSデジタル放送開始以来、4K、8Kの放送をスタートさせ、2023年の12月に再編をして、現在、NHK BS、BSプレミアム4K、BS8Kの3つのチャンネルで高精細で多彩な番組を放送し、衛星放送の発展に取り組んでおります。
ここで一つ年末の番組を紹介します。12月の13日、夜10時から、3週連続で放送しますドラマ「火星の女王」という番組です。今年NHKの放送が始まって100年を迎えますが、この「火星の女王」は、100年後の2125年に、火星に10万人が移住したという世界を舞台にして、非常に大きなスケールで描く大型SFドラマです。
NHKは、今後もBS放送で、スポーツ、ドラマ、エンタメ、国際報道、それに自然紀行と、高品質で多彩なジャンルの番組を展開していきたいと思います。ぜひご期待ください。

【BS日本 粕谷賢之 代表取締役社長】
BS日テレも25歳になり、一番エネルギッシュな時を迎えていると言っていいと思います。先ほどご紹介した「おぎやはぎの愛車遍歴」は放送開始から15年目に入り、放送回数が500回になりました。
一方、新しいものにも挑戦をしています。「現役歌王JAPAN」という番組は、日本と韓国でトップ7のアーティストが激突するというものですが、番組展開だけでなく、今月1日に東京国際フォーラムでコンサートも行い、おかげさまで満員御礼でした。
私たちは25年間の伝統というものに寄り添いつつ、新しいIP開発にも取り組んでいく。そうして、BS放送の新しい地平を切り開いていくという所存です。これからのBS日テレにぜひご期待ください。

粕谷賢之 代表取締役社長
【BS朝日 濵島聡 代表取締役社長】
BS朝日では現在、「25周年もウェルビーイング放送中!」を掲げて大型番組、そしてイベントを展開しています。先ほどの紹介にもありました、歌番組「人生、歌がある」は、先月初めてコンサートを開催しました。会場全体が、「北国の春」を大合唱するという、まさに圧巻の光景が生まれました。
また、人気番組「ウチ、“断捨離”しました!」は、東京、大阪とトークイベントを開催し、こちらも大変な大好評をいただいています。
BSは、放送に留まらず、視聴者、そして生活者と、明らかにこのリアルな接点が広がっていると感じています。
先ほどもありましたとおり、BS各局とのコラボも進んでおり、テレビ朝日の「アメトーーク!」でBS芸人の企画が放送されるほど、「BSのフィールド」の認知が間違いなく高まっています。BSメディアはまだまだ大きな可能性があります。
今後も視聴者そしてアドバタイザーと寄り添いながら、信頼できるメディアとして価値あるコンテンツを発信し続けたいと思っております。

濵島聡 代表取締役社長
【BS-TBS 伊佐野英樹 代表取締役社長】
BS-TBSも25周年ということで、数々の特番を用意しています。先ほどVTRでご覧いただきました、「25年目の恋~もう一人の芳根京子、ローマへ行く~」。それ以外にも「五木JAM」では、歌手生活60周年を迎えた五木ひろしさんとお仲間が多数集まってコンサートをした模様を番組にしました。非常に多彩な顔ぶれで、ももいろクローバーZや奥田民生さんなどもご出演になっていて、大変楽しみです。それから、武田鉄矢さんが黄門さまを演じる「水戸黄門スペシャル」などもあります。
番組以外にも、赤坂のBLITZスタジオでは、12月5、6、7の3日間、25周年のスペシャルイベントを開催し、番組の取材に応じていただいたお店にご出店いただいたり、番組の出演者の方によるトークショーなどもあります。情報をサイトにまとめておりますので、ぜひご覧いただければと思います。
25周年ということで、人間に例えれば25歳の若者、まだまだこれから伸びしろがあるというところかと思います。先ほど和田さんがおっしゃったように、自分たちの保身ばかり考えずに、立派な大人になれるように、頑張って成長していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

伊佐野英樹 代表取締役社長
【BSテレビ東京 加増良弘 代表取締役社長】
7チャンネルBSテレビ東京、加増です。
思い返してみますと25年、特に前半は借金に次ぐ借金ということで大変苦労をしましたが、ようやくここにきて100人の社員がワンチームで小さな世界を、小さな分野かもしれませんが、グリグリと掘りながらコンテンツを作り続けているといういい体制になってきました。
年末年始は、4Kの絶景秘境旅や、12時間の歌番組、皆さんご存知の「孤独のグルメ」の全話イッキ見や、「SPY×FAMILY」の全話イッキ見が放送されます。実は4年連続年末年始のゴールデンタイムが4冠で、視聴率1位を取らせていただいています。5年連続を狙っていき、ニッチではありますが、胸を張って堂々とBSデジタルを頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

加増良弘 代表取締役社長
【ビーエスフジ 小川晋一 代表取締役社長】
本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
おかげさまで、BSデジタル放送も25周年を迎えることができました。
視聴者の皆様、広告主の皆様、そしてすべての関係者の皆様に改めて感謝を申し上げます。
私どもビーエスフジはオリジナリティにこだわって、25年放送してきました。番組の企画制作にあたっては、とにかく独自なものということで臨んできました。その象徴として、先ほどご案内申し上げました25周年企画があります。
一つは「日本遺産物語」。これに取り組んで足掛け15年になります。今回は百舌鳥・古市古墳群を取り上げています。視聴者の皆様の知的好奇心、あるいは、歴史的探究心に必ずやお応えできるものと自負しています。今回は仁徳天皇陵だけでなく、49基の古墳に取材を敢行しています。
また、翌12月29日には、「BARレモン・ハート」という3時間のスペシャルドラマを放送します。2本のオリジナルドラマと、出演者による3人でのスペシャルコーナーではお酒にまつわる旅を展開します。こちらもご期待に添えるものと自負しています。
こうした周年企画だけではなく、今後のすべての番組について、私どもはその独自性、BSらしさを前面に出して、企画、編成、制作していきたいと考えています。
おかげさまで25周年を迎えることができました。引き続き、BSデジタル放送、またビーエスフジのご支援をよろしくお願い申し上げます。

小川晋一 代表取締役社長
引き続き、和田明日香さん、桑子真帆アナウンサー、ヨンハチさんも登壇してフォトセッションが行われました。

ルミエール・ジャパン・アワード2025 結果報告
続いて、先進映像協会日本部会 河合隆史 会長(早稲田大学理工学術院 教授)から2日前にInter BEE2025の会場に於いて表彰式が行われたルミエール・ジャパン・アワード2025の結果報告と講評がありました。

私たち先進映像協会 日本部会は、元々ハリウッドに本部がある業界団体の支部で、日本の先進映像技術やコンテンツ表現を、教育・啓発・表彰を通して発展・普及させることを目的に、2011年に設立されました。
その中でルミエール・ジャパン・アワードは、国内で制作・公開された優れた先進映像コンテンツを表彰することで、良質な作品の拡大と品質向上に寄与することを目指しています。
今年で15周年を迎えました。
ルミエール・ジャパン・アワードは、カテゴリーが4つあり、3D、4K、8K、VRに分かれています。そのうち4K部門と8K部門はA-PABさんとの共催で実施しています。
それでは、今年の4K・8K部門の受賞作品をご紹介いたします。
まず4K部門の特別賞は、ソニーPCLさんの『あるいは、ユートピア』です。
また同じく4K部門の特別賞は、フジテレビジョンさんの『Time Trip 伊豆半島ジオパーク』です。サブタイトルは「伊豆諸島を渡る人類と神々」で、例年このTime Tripシリーズが制作されています。
優秀作品賞はソニーPCLさんの短編映画『リテイク』です。
4K部門の準グランプリは、パナソニック映像さんの『動く絵画』です。作品内では様々なトリッキーな動きを取り入れた非常に面白い作品となっています。
今年の4K部門グランプリは『美の壺スペシャル 皇居』、日本放送協会さんの作品です。美しい皇居の内部を撮影した素晴らしい作品となっています。
続いて8K部門の受賞作品です。
特別賞は関西テレビ放送さんの『Beginning』、非常に色彩の美しい作品です。
グランプリは日本放送協会さんの『不思議な国宝 松林図屏風』です。今年の傾向として、4K部門は多岐にわたる作品が制作され、それぞれの作品に応じた4Kの特性を理解・活用することで、多様かつ高品質な作品が制作されています。
8K部門については、日本は世界的にも先端レベルにあります。例年、ハリウッドで開催されるルミエール・アワード米国本部の大会でも、優秀作品賞以上に日本作品が毎年何作品もエントリーし、受賞しています。例年2月から3月にかけて米国本部で開催されるルミエール・アワードでは、2019年、『ミッション:インポッシブル-フォールアウト』でトム・クルーズさんが受賞されています。本部のルミエール・アワードにはメジャー作品が多く出品されますが、日本の作品も優秀作品賞以上は、毎年複数エントリーし、少なくとも1作品は受賞しています。今年も日本作品の受賞を強く期待しています。
J:COM BS 10月1日より24時間放送開始報告
続いて、JCOM BS株式会社 伊藤彰伸 常務取締役から、10月1日から24時間放送開始の報告がありました。

まず振り返りですが、6月18日にBS松竹東急様から全株式取得の発表を行い、約12日後の7月1日にJ:COM BSとして放送を開始しました。準備期間が限られていたため、7月から9月末までは1日14時間の暫定放送となっておりました。
前回、7月10日のA-PAB記者発表では、開局についてほぼ何も決まっておらず、とにかく開始する旨をお伝えするのみでした。その後の3か月間、前オーナーである松竹様のご協力をいただき、10月1日より編成リニューアルを行い、24時間放送を開始しました。
事務所も東銀座からJ:COM本社の丸の内に移転し、同日から放送を開始しております。
『J:COM BS。大人の毎日に、ワクワクを。』をキャッチフレーズに、65歳以上の方をメインターゲットとして編成を行っています。主な番組軸は、韓国・中国ドラマ、演歌・歌謡、昭和の名作、国内ドラマです。
編成の強化として、2つの取り組みを行っています。
1つ目はデータドリブン編成で、約350万世帯の視聴データから、200万世帯分のビッグデータを活用し、お客様が本当に見たい番組を編成に反映させています。
2つ目はグループアセットの活用で、グループ内の専門チャンネルのコンテンツもJ:COM BSの編成に活かしています。
具体例として、グループチャンネルからはJ SPORTSで放送していた『ツール・ド・フランス』をはじめ、演歌・歌謡、麻雀、旅など幅広いジャンルを放送しています。チャンネル銀河で放送した歌舞伎のドキュメンタリー、尾上菊五郎・菊之助の襲名披露を追ったドキュメンタリー作品も、BSで完全版として放送しました。
今後の取り組みとして、全国65局のコミュニティチャンネルの番組をJ:COM BSで紹介し、全国に展開していく予定です。例えば、葛飾でのみ視聴可能なナイツ塙さんのバラエティ番組や、『ふくあじ』、小山薫堂さん監修の福岡のグルメ番組なども放送予定です。また、コミュニティチャンネルで報道している安心・安全に関する取り組みも積極的に紹介してまいります。
開局して間もない状況ではありますが、視聴率はJ:COMデータで、6月の松竹東急時代とほぼ同程度に回復しています。今後も視聴者に楽しんでいただける編成を行い、放送業界に貢献できるよう努力してまいります。
LCB(ローカルコンテンツバンク)が描く未来
続いて、株式会社毎日放送 経営戦略局、A-PAB「コネクテッドTV検討部会」 SG3齊藤浩史 主査による「ローカルコンテンツバンク」に関するプレゼンテーションがありました

ローカルコンテンツバンクについての現状とこれからについて紹介します。
ローカルコンテンツバンクとは、地方の放送局が日々作っている地域の情報に体系的なメタデータをつけ、整えて一箇所に集めることによって、共通のジャンルのコンテンツの束を作り価値を作ろうというものです。昨年、TVer、SPOOXで実証し、VODで一つの成果を上げました。TVerでは、今年6月から年末まで29週のロングランとなり、現在、コンテンツが100本以上上がっています。今年度、動画広告を付けて、どれぐらい経済的価値があるかということの検証をしています。
また、昨年、実現していなかったFASTについては、来月(12月)の中旬から楽天が運営する、24時間365日無料、50チャンネルの番組が見られる「Rチャンネル」に、「九州・沖縄・街ネタチャンネル」(名称の変更可能性あり)を出す予定です。FASTでどれぐらいこういったコンテンツの有用性があるかを図る機会となります。「Rチャンネル」は、ネット接続に対応しているテレビはもちろんWebブラウザ、スマートフォンアプリ、Android TVやAmazon Fire TV等でも見られます。
さらに、海外の配信事業者、海外のコンテンツビジネスの方が集まるAVIAやTIFFCOMといった機会で紹介したところ、特定の人には非常にプレミアムであり、日本ならではだと高い関心をいただいています。LCBのコンテンツは、視聴して消費して楽しんでもらうというものとは異なり、視聴から行動を促すというもので、新たなコンテンツ領域を開拓していきたいと考えています。
今年度、A-PABのもとでAIを活用して、省力化のもとでメタデータを付けられるよう、全文書き起こしや字幕データ付与機能を開発中です。放送局1局ではできないことを、LCBが地域の放送局の皆さんに提供し、地域の放送局、ローカル放送局のDXに寄与していきたいと考えています。
現在はA-PABのもとで実証実験をしていますが、幹事社4社、北海道テレビ放送、テレビ西日本、テレビ宮崎、毎日放送4社で、2026年4月からLCBを引き継いでいく合同会社を10月29日に立ち上げました。いよいよスタートラインに立ったということかと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
以上をもって、BSデジタル放送開始25周年を記念したA-PAB記者発表会は、終了しました。