6月26日午後2時より「 一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB) 第10回 定時総会」が明治記念館(港区元赤坂)で開催されました。
会員の出席状況は、議決権を有する正会員241団体のうち49団体が出席、議長委任が62団体、書面による表決参加が92団体で、合計203団体の参加となりました。

冒頭、議長を務める加増理事長から、以下のような挨拶がありました。 「お暑い中、ご参集いただきましてありがとうございます。今年はBS民放開局25周年、NHK-BSデジタルも25周年、その節目に地上波の人気番組でBSに関するテーマを取り上げていただき、何とか世の中に認めてもらえる存在になったのだと非常に感慨深いものがありました。これもNHKを含むBS各局はもちろん、総務省、メーカーの皆様が努力された結果であり、先達の奮闘に改めて感謝いたします。
また今年はテレビ放送が始まって100年という記念すべき年ですが、テレビ局を中心とした放送関連業界は大きな岐路に立っております。ITテクノロジーの進歩に対するキャッチアップの困難さ、コンプライアンスを巡るテレビ局に対する視線は厳しさを増すばかりです。時代は大きく変わりましたが、A-PABは会員各社のため、放送関連業界のために何ができるのかということをしっかりと考えていきたいと思っています。そのひとつが、コンテンツ制作への側面支援です。4K8Kコンテンツの周知広報をしっかりと行い、BSデジタル放送全体の盛り上げを図りつつ、民放ローカル局が進めているLCB(ローカル・コンテンツ・バンク)を支援していきます。もちろん技術規格のメンテナンスやES/RMPなど祖業ともいえる分野にも時代に沿った変化に対応していきたいと考えています。
新しいテレビ局も誕生しました。一方で放送をやめる社もあります。新しいテクノロジーを積極的に取り入れる社もあれば、検討を継続している社もあります。A-PABは放送関連で幅広く会員社の皆様に参加していただける唯一の団体であります。新しい時代にも皆様と前向きな議論を重ねて、業界の発展に寄与してまいります。今後とも、ご支援、ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。」

続いて、議長に株式会社TBSテレビ 奥田晋氏が選出され、議事録署名人には、日本放送協会の大治啓氏、シャープ株式会社 風間美佐子氏がそれぞれ指名され議事に入りました。

審議事項として、第1号議案「役員の選任について」を阿部浩二専務理事が説明し、原案の通り、各々の役員の選任について承認されました。
今回の総会までに退任された理事の方々は、岡本寛文氏(シャープ株式会社)、大場洋士氏(株式会社テレビ朝日)、於保浩之氏(日本テレビ放送網株式会社)、亀山千広氏(株式会社ビーエスフジ)、川島徳之氏(株式会社フジテレビジョン)、近藤和行氏(日本BS放送株式会社)、前 進氏(株式会社テレビ東京)、松谷浩一氏(スカパーJSAT株式会社)、山形浩一氏(朝日放送グループホールディング株式会社)、渡邊一正氏(住友商事株式会社)の10名です。
新しく理事に就任された方々は、赤藤倫久氏(朝日放送テレビ株式会社)、石田秀徳氏(株式会社テレビ東京)小川栄治氏(株式会社フジテレビジョン)、粕谷賢之氏(株式会社BS日本)、小林靖和氏(シャープ株式会社)、里賢一氏(日本テレビ放送網株式会社)、中川大介氏(スカパーJSAT株式会社)、長澤修一氏(住友商事株式会社)、降旗邦義氏(ワールド・ハイビジョン・チャンネル株式会社)、堀江隆氏(株式会社テレビ朝日)の10名です。

続いて、報告事項1「2024年度事業報告及び決算報告について」に移り、事業報告については阿部浩二専務理事、江頭孝之常務理事、安田隆二理事が以下のようにそれぞれの担当分野について報告しました。
阿部専務理事
「4K・8K等の技術基盤を用いた、新たな産業・文化の創成への貢献に関わる業務」のほか、会員の状況および協会の運営について報告。

江頭孝之常務理事
「地上・BSテレビ放送/4K8K衛星放送に関わる普及、利用促進、周知広報、受信環境整備の推進」、「新たな放送技術を用いたコンテンツの制作環境の高度化と浸透に向けた業務」、「地上テレビジョン放送番組の著作権保護に関する関係事業者等との連絡、調整、契約に関わる業務」、「会員向けサービス」について報告。

安田隆二理事
「放送サービスの高度化(4K・8K、スマートテレビ等)/地上・衛星デジタル放送に関わる技術仕様の検討、検証、評価等」、「地上テレビジョン放送のエンジニアリングサービス衛星基幹放送業務の運用および関係事業者等との連絡、調整、契約に関わる業務」、「放送を取り巻く環境の変化に対応すべく、短期および中長期的観点からデジタル時代における放送サービスの価値向上に資する課題の検討および取り組み」について報告。

2024年度決算報告については、阿部専務理事が報告しました。次に金子豊監事(日本放送協会)から、平井淳生監事(一般社団法人電子情報技術産業協会)と堀木卓也監事(一般社団法人日本民間放送連盟)とともに事業報告、会計および理事の職務の執行状況に関する監査を行ったところ、いずれも適正であった旨が報告され、第10回定時総会は終了しました。